FC2ブログ

「砂の器」

「震える牛」の帯コメントに"現代の「砂の器」"と記載があり、そういえば読んだことがなかったなーと購入、読了。

確かにプロットも似ている気がしたが、それ以上に、文体が似ている気がした。

よけいな修飾語や複雑な構文が少なく、単文が続くことが多い。不思議な重さと冷たさを感じる文章である。こうした構文を使うのってかなり根気がいるだろうな。一個一個凝縮して凝縮して、結果としてのあの文章量。読みやすいけど濃いっていいね。

心情描写よりも、風景/事実描写が多いのも似てる気がする。震える牛の表現をあまり覚えてないですが。おどろいた、とかじゃなく、顔が青白くなったとか、眼がギョロっと動いたとか、そういう感じの。人称の設定だけかもしれないけど。
スポンサーサイト



「落日燃ゆ」


落日燃ゆ (新潮文庫)落日燃ゆ (新潮文庫)
(1986/11/27)
城山 三郎

商品詳細を見る


終戦の時期に、タイムリーな本を読んでいた。

「白い巨塔」


白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)
(2002/11/20)
山崎 豊子

商品詳細を見る


医療を言葉で表すことの難しさは、想像に難くない。題材として共感できる部分は少ないが、ごまかすことの少ない細かで正確(に思える)描写には感嘆。

不条理ほど乱暴なものでもなく、かといって、自らの意思と環境が絡む「どうしようもない」という状況を、どのように処置すべきなのであろうか。ひとつの致命傷は、無数の軽症よりも大きいが、その致命傷をもたらす矛は、見ず知らずの人がまったく偶然に振り下ろしたものかもしれない。しかし、それは全て自分に起因すると考えざるをえないのである。どうしろ、というのだ。フェアに生きるしかない。ただ、フェアに生きたからといって結果がフェアとは限らない。

ああいったラストを迎えることは、双方を納得させる唯一の方法であり、著者自身も、社会的な歯車とならざるをえなかったのであろう。投げかけた問題が、ブーメランのように著者の手元に戻ってきたときの心境は千万やるせない。

写楽 震える牛

読んでて疲れる本ばっかりだわ

「華麗なる一族」

華麗なる一族〈上〉 (新潮文庫)華麗なる一族〈上〉 (新潮文庫)
(1970/05/27)
山崎 豊子

商品詳細を見る


もっぱら世間では半沢直樹一色ではあるが、同時期に本書を読んだことは非常に面白かった。

結局のところ、銀行というビジネス自体が、つまり、負債という概念自体がそういうものということなのだろう。責任、コミットメントが必要となるために、調子のよいときにしか貸せず、調子の悪いときには貸せない。そんな成り立ちなのだから、それをいかに理解してビジネスするかが大事なんだろうな。

1970年に書かれた小説ではあるが、こんな時期にこんなことやってたのでは、そりゃ世界に取り残されるよな。
プロフィール

I is Ninth

Author:I is Ninth
Secret makes secret secret

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QRコード